今回は、個人的にとても便利だと感じた「iRig Recorder」というアプリをご紹介したいと思います。ちなみに、有料版と無料版があり、どちらもアプリ内課金で機能追加することが可能です。ここで紹介している機能は有料のもの(アプリ内課金含む)になります。
なお、こちらのアプリでは「動画撮影」と「動画編集」が行えます。ただ、動画編集に関しては注意が必要で、映像関連の機能はカットぐらい。ほとんどの機能は音声関連になります。「音声に強い動画編集アプリ」みたいな感じですかね。 (元は、音声を編集するためのアプリだったようです。そこに動画の機能を盛り込んだので音声関連の機能の方が豊富なんですね)
こちらのアプリは多機能なので全ての機能は知りませんが、僕が気に入っているのは以下の3つ。「動画撮影時」と「動画編集時」に分けています。
【動画撮影時】
・「Lightningコネクタ周辺のマイク」が利用できる
【動画編集時】
・「ノーマライズ機能」が利用できる
・「ノイズ除去機能」が利用できる
3つのお気に入りポイントを書きましたが、わかりづらい部分もあると思うので少し補足しておきます。「なんとなく言いたい事は分かる」という方は、次の見出しまで飛んでください。
標準のカメラアプリで動画を撮影する場合、アウトカメラで撮影するとアウトカメラ横のマイクで録音されます。
そして、インカメラで撮影するとインカメラ横のマイクで録音されます。
普通に動画を撮るぶんには、これで問題ありません。ただ、「撮影する対象」と「音を録る対象」が同じ方向にない場合はコレだと困ります。例えば、撮影対象がアウトカメラ側にあり、音を録る対象がインカメラ側にいるとマイクが反対側になってしまうので話した声がこもってしまいます。手元を撮りながら話をする場合などですね。
ところが、iRig Recorderで動画を撮影すると「Lightningコネクタ周辺のマイク」で録音してくれるので、撮影対象と録音対象が反対側にいても問題なく音を録音することができるんです。これが一つ目のお気に入りポイント。
(撮影時にインカメラ側のマイクで録音できるアプリもあります。別の記事で紹介予定です)
一つ目の補足が長くなってしまったので、残り二つはサクッと終わらせます。
「ノーマライズ機能」が利用できると、音割れしないギリギリの音量にサクッと設定できます。iMovieで音量の設定をする場合は、毎回毎回、音量を確認しながら調整する必要がありますが、「iRig Recorder」なら音割れしない音量に一発で調整できます。
さらに、「ノイズ除去機能」が利用できるので、「サー」と言うホワイトノイズも簡単に消すことができます。Mac版のiMovieでしたらノイズ除去の機能があるのですが、iOS版のiMovieはこの機能が利用できません。なので、この機能が利用できるのは本当に助かります。
と言うことで、補足が長くなってしまいましたが、「iRig Recorder」の使い方を簡単に紹介したいと思います。
一応言っておきますが、僕は映像や音声編集などは素人です。なので、ここでの手順はあくまでも参考程度にしてください。詳しい方からしたら突っ込みどころ満載かも知れません(笑)
撮影方法
それでは、iRig Recorderで動画を撮る方法を見ていきいます。
アプリを起動して、右下のカメラボタンをタップします。
すると、カメラが起動して下のような画面が表示されます。いくつかボタンが表示されていますが、よく利用するのは、録画/カメラ切り替え/入力レベル(音量)の3つ。入力レベルが少し分かりづらいかもしれませんが、ここを上下に移動する事で録音する音量を調整することが可能です。上に移動すると大きな音で録音ができ、下に移動すると小さな音で録音ができます。
録画中は、このような画面になります。
録画を終了すると、保存した動画の内容が表示されます。ここで動画の再生や編集が行えます。再生中は左上で映像を確認できます。
左上のボタンをタップすると、保存したファイルの一覧が表示されます。ちなみに、さらに左上のボタンをタップすると、フォルダ一覧が表示されます。撮影日ごとにフォルダ分けされるようになっています。
それでは、保存した動画を編集していきます。
音量調整(ノーマライズ)
動画の最大音量を調整する「ノーマライズ」機能を利用してみます。
それでは先ほど保存した動画ファイルを選択し、右上のボタンをタップします。
すると、利用できる機能の一覧が表示されますので「Normalize」を選びます。あとは、赤枠の部分で調整します。「RMS」と「PEAK」の2つの方法が選べますが、PEAKの方が利用しやすく感じます。僕の場合は「PEAK」を選択して、上のスライダーで調整しています。「RMS」と「PEAK」の違いですが、素人の僕にはうまく説明できません。気になる方は、「ノーマライズ ピークレベル」や「ノーマライズ RMS」などで検索してください。
(Adobe Premiere Pro CCでノーマライズを利用する時には、何も考えずに「0db」にしておけば丁度いい音量になっていたのですが、こちらのアプリでは違うみたい。0dbにすると若干音が大きく感じる…。
ノーマライズの設定ができたら[PREVIEW]ボタンをタップして確認します。画面下には、レベルメーターが表示されます。
ちなみに、画面下の再生ボタンをタップするとノーマライズの設定が反映されていない元データの音が再生されます。元データと比較しながら設定できるので便利です。
それでは、[APPLY]をタップしてノーマライズを行います。確認画面が表示されたら[YES]をタップします。
これで、音量調整したファイルが新規作成されます。音量調整する前の「元データ(元のファイル)」は上書きされずに残ります。
書き出し
それでは、音量調整したデータを写真アプリに書き出してみます。
先ほど保存したファイルを選択して、右上のボタンをタップします。書き出し方法が選択できるので好きなものを選択します。ここでは「Video(M4A Audio)」を選択しています。
続けて、[Open in...]を選びます。
[Save Video]を選びます。
これで、写真アプリに音量調整後の動画が書き出されます。
ノイズ除去
最後に、ノイズ除去方法も確認しておきます。
まず、ノイズ除去したい動画データを選択します。ここでは、先ほど音量調整したデータを選択しています。続けて、右上のボタンをタップします。
[Cleanup]がノイズ除去の機能だと思うのですが、こちらよりも[Smooth Voice]の方が自然にノイズ(ホワイトノイズ)が消えたので、今回はこれを選択します。あとは、音量調整の時と同じように画面上で調整を行い[PREVIEW]で確認します。
いい感じに調整できたら[APPLY]で適用します。確認画面が表示されたら[Yes]を選択。
これで、ノイズ除去後のファイルが新規作成されます。
残念なところ
このアプリ本当に便利でとても気に入ったのですが、残念に感じた事が2つありましたので書いておきます。
まず、一つ目はカットする度に新しいファイルが作成される事。
実は、こちらのアプリ波形を見ながら動画のカット編集ができます。コレすごく便利なのですが、カットするたびに新しいファイルが作成されてしまうのが残念。続けてカットしたい場合は新しいファイルを開いてカットしないといけません…。
二つ目は動画のインポートができない事。
「ノーマライズ」や「ノイズ除去」といった便利な機能があるにも関わらず、これらの機能が利用できるのは「iRig Recorder」で撮影した動画だけというのは悲しすぎです…。写真アプリに保存してある動画データを読み込んで利用できれば最高なんですけどね…(泣)
動画で使い方を紹介
公開予定(まだ動画は作成していません・・・)
はい。ということで、動画撮影 & 動画編集に便利な「iRig Recorder」のご紹介でした!
ちなみに、今回紹介したアプリは impress さんの記事で知りました。ぜひ、以下の記事もチェックしてください。記事にしてくださった方ありがとうございます。
→ IK Multimedia、iPhone向け録音アプリ「iRig Recorder」にビデオ撮影機能追加 - AV Watch